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「登山初心者が谷川岳に登れるか?」という前回記事の続編で、実際に登る天神尾根について詳しく解説します。7月の梅雨明けから10月の紅葉シーズンまでの晴れの日を狙って登りましょう!世界に誇る名峰でも、しっかりした準備があれば、谷川岳の素晴らしい景色を楽しめますよ。
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天神尾根コース概要
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【コースタイム】4時間50分(登り2時間40分、下り2時間10分)
【歩行距離】6.4km
【標高差】上り:716m 下り:898m
ロープウェイとリフトを使い、天神峠から天神尾根をピストンする大人気のコースです。谷川岳は、標高2,000m未満ですが、素晴らしい眺望と高山植物の宝庫で魅了します。上越国境と呼ばれる谷川岳の厳しい自然環境がつくりあげた世界に誇る名峰です。
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天神尾根を登る①ロープウェイ
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ロープウェイは、9:00までに乗りましょう!午後になると天気が悪くなったり、雷が発生することもあるので、早めの行動を心がけましょう。都内から電車で行きと、路線バスが谷川岳ロープウェイに8:50に着きます。時間を無駄にしないように飲食はあらかじめ用意しておき、トイレだけ済ましたらすぐにスタートできる準備をしておいてください!ロープウェイは、1台あたりの輸送人数は22名で約15分で天神平に到着します。
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下記記事も参考にどうぞ!
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天神尾根を登る②天神平からリフトで天神峠へ
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天神平から登る方も多いですが、初心者であれば、リフトを使い標高1,502mの天神峠から山頂を目指しましょう。下山時は、リフトを使用しないため、片道切符420円を購入します。天神峠まで登ると谷川岳山頂がはっきり見え、天神尾根の全行程がわかります。また、リフトで高度を稼いだ分、最初の1本目は、なだらかな歩きはじめとなります。
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天神尾根を登る③天神峠から熊穴沢避難小屋
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天神峠から約45分で熊穴沢避難小屋に到着します。休憩をとり水分補給をしっかりしましょう!避難小屋にはトイレはありません。雨、風をしのぐためのものです。夏は日陰で小休止しましょう。
天神尾根を登る④熊穴沢避難小屋から天狗の留まり場
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熊穴沢避難小屋を過ぎると、岩場、鎖場が出てきます。天神尾根の鎖場は、断崖絶壁のような難所はありません。鎖を無理に使わなくても、下記図のように三点確保(両手両足のうちの三点を確保し、確保しない部分を使って登ること)をすれば問題なく通過できます。週末はここで順番待ちの渋滞が起きます。岩が濡れていると滑りやすいので注意してください。
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鎖場を抜けると、一気に展望が開けてきます。初夏にはニッコウキスゲ、ツリガネニンジン、オタカラコウなどが花を咲かせる高山植物のポイントです。やがて上の方に岩の塊が見えてきます。そこが、天狗の留まり場です。
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「天狗の留まり場」で休憩をとりましょう。景気は素晴らしいです。左手に稜線が連なり、オジカ沢ノ頭から川棚ノ頭へ伸びるなだらかな俎嵒(マナイタグラ)山稜、右手方向には西黒尾根の眺めが素晴らしいポイントです。
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天神尾根を登る⑤天狗の留まり場から肩の小屋
天狗の留まり場から肩の小屋までは急登と階段が続く最もきついところです。天神ザンゲ岩を過ぎると肩の広場直下のガレ場に設置された階段状の道に入ります。精神的にも最も辛いところですが、下を向かず、左右の素晴らしい景色を楽しみましょう。
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肩の小屋からの眺めは最高です。特に西側に伸びる谷川連峰の稜線は見事です。この上越国境こそが、太平洋側と日本海側の分水嶺となり、冬は谷川岳に豪雪が降るのです。2000m級の標高ですが、日本アルプスに匹敵する素晴らしい景色です。富士山まで見れる日もあります。
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天神尾根を登る⑥トマの耳
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「トマ」は手前、「オキ」は奥という意味です。先に到達するピークが、1,963mのトマの耳です。オキの耳1,977mよりわずか14m標高は低いのですが、三角点があるため谷川岳の本峰(山頂)とされています。山頂の東側は断崖絶壁となっております。山頂からは360度の大パノラマが広がります。日本百名山の上州武尊山、赤城山、日光白根山、至仏山、燧ヶ岳、苗場山、巻機山が見えます。
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天神尾根を登る⑦オキの耳
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トマの耳から10分ほどで標高1,977mオキの耳に到着します。オキの耳からは、マチガ沢と一の倉沢の断崖絶壁が見られます。肩の小屋に戻り、昼食休憩を取りましょう!
天神尾根を下る
肩の小屋で昼食を済ませた後は、天神平に向け下山しましょう。午後は、雲が出てきて、夕方は雷の心配もでてきます。どんなに遅くても13:00には肩の小屋を出発しましょう。天神平まで2時間10分のコースタイムなので、1回休憩を挟み、15:30には天神平に戻れる予定です。
下山は、膝に負担がかかるため、後ろ足に体重をかけることがコツです。後ろ足の膝を曲げて、着地する足には体重をかけないようにして降りると良いでしょう。
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トイレ事情
夏は水をたくさん飲むようにとアドバイスされたものの、トイレが近くて心配という方もいらっしゃると思います。トイレは、ロープウェイ駅と肩の小屋にしかありません。もし、それ以外の場所でしたくなったら、「大自然で!」ということになります。熊穴沢避難小屋を過ぎると森林限界を越え、隠れる場所も少なくなりますので、行ける時に行っておくしかありません。
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混雑状況
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3連休やお盆の時期、10月紅葉時期の週末は大変混み合います。谷川岳に向かう路線バス、ロープウェイの順番待ち、天神尾根の鎖場など混雑が予想されます。車で行かれる方は、とにかく「朝早く!」が鉄則です。ロープウェイは、4月~11月まで、平日8:00~17:00、土日祝7:00~17:00なのでロープウェイ開始時間を目指して予定を立てると良いでしょう。登山は、時間が命です。準備を完璧にして、無駄なところで無駄な時間を取られないようにしましょう。
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下山後の入浴
下記4施設がおすすめです。
①水上温泉 坐山 みなかみ(旧:水上館)
[住所]群馬県利根郡みなかみ町小日向573
[利用料金]【大人】1,000円【子供】800円 フェイスタオル込
[アメニティグッズ]シャンプー、リンス、ボディーソープ
[営業時間]13時~18時50分 ※最終受付17時50分
[定休日]無休
[露天]有り
[サウナ]有り
坐山 みなかみ(旧:水上館)の日帰り入浴詳細はこちら
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②谷川温泉 湯テルメ谷川
[住所]群馬県利根郡みなかみ町谷川514-12
[利用料金]【大人(中学生以上)】630円【小人(3歳~小学生)】280円
[アメニティグッズ]シャンプー、リンス、ボディーソープ、タオルは有料
[営業時間]12時~20時30分※最終受付19時30分
[定休日]第3木曜日(祝日は営業、翌日休)
[露天]有り
[サウナ]無し
「谷川温泉 湯テルメ谷川」の詳細はこちら
③仏岩温泉 鈴森の湯
[住所]群馬県利根郡みなかみ町阿能川1009-2
[利用料金]【大人】900円【小学生】500円【幼児】400円(3才以上)※2時間・入湯税
[アメニティグッズ]バスタオル200円(レンタル)、フェイスタオル150円(販売)
[営業時間]午前11:00~午後8:00(最終受付けは午後7:00まで)
[定休日]水曜日(臨時休業があるので、お出かけの際はHPでご確認ください)
[露天]有り
[サウナ]有り(ミストサウナ)
「仏岩温泉 鈴森の湯」の詳細はこちら
④湯檜曽温泉 ホテル湯の陣
[住所]群馬県利根郡みなかみ町湯桧曽208
[利用料金]1,200円
[営業時間]14時~18時
[定休日]不定休
[露天]有り
[サウナ]有り(日帰り入浴は、女性用のみ)
「ホテル湯の陣」の詳細はこちら
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さあ、世界に誇るみなかみの名峰にチャレンジしましょう!素晴らしい大自然と感動が待ってますよ。谷川岳の素晴らしさに多くの方が魅了され、感動の山旅になることを願っております。
下記記事も参考にどうぞ!
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